アメリカ・トランプ大統領は就任初日に「性別は生まれながらに決まっている生物学的な分類で変更できる者ではない」とする大統領に署名した。背景には性的マイノリティーが過度に優遇されていることへの不満や、支持基盤のキリスト教保守派への配慮がある。さらにトランスジェンダーをめぐり女子スポーツ参加への禁止、軍への入隊の制限、19歳未満に対する性別適合の治療手術の制限などを打ち出した。保守層にはトランプ政権のこうした動きを肯定的に受け止める人も少なくない。トランスジェンダーとして発信を続け雑誌「TIMES」の“世界で最も影響力がある100人”に選出された・イマラジョーンズは“2つの性のみ”との方針が差別を助長すると懸念を強めている。イマラジョーンズは「影響は広範囲に及んでいる。トランスジェンダーという理由で今いる場所を離れることを強いられる人もいる」と話す。「性的マイノリティーの歩みを伝える博物館」が再来年正式にオープンする予定だが、トランプ大統領当選後、個人からの寄付が予測を上回る勢いで集まっているという。ベンガルシア館長は「私はあらゆる家族、コミュニティー、地域、人種、民族に存在している。たとえ現職の大統領が“性別は2つ”と主張したとしても私たちが消え去ることはない」と話す。