条件期限付きで国の承認を受け、重い心不全の患者に取り付けられている再生医療製品「ハートシート」について、厚生労働省の専門部会は、その後、有効性がが示されなかったとして通常の承認を行うのは適切ではないという結論をまとめた。ハートシートは、重い心不全患者本人の足から取り出した筋肉細胞を培養してシート状にし、心臓に貼り付けて治療するのものだ。一定の有効性が期待できる再生医療などの製品について、期限内に有効性を検証することなどを条件に国が承認する制度が適用された初めての製品だとして、2015年に条件付きで承認された。きのう開かれた、厚生労働省の専門部会では、ハートシートを製造・販売する医療機器メーカーの「テルモ」からこの治療を受けた49例のデータが示され、有効性などについて検証が行われた。その結果、”一般的な治療を受けた患者と比べて、よりすぐれた結果は認められなかった”とし、”安全性については新たな懸念はみられないものの有効性が示されていない”ことから、”一般的な承認は適切ではない”と結論づけた。今後、厚生労働省の審議会で、承認の可否について審議が行われるということだ。