北林力は4月からフランスのシャンパーニュ地方で武者修行をしているという。この日は世界トップ10に入る選手と3時間80キロのロードバイクでのフィジカルトレーニングをした。コーチは本場フランスのチャンピオンだった人だ。北林力は全日本選手権で優勝しており、次の目標は本場ヨーロッパでトップ選手として名を連ねることだという。マウンテンバイクの人気は日本でも高まっており、日本で行われた「ジャパンマウンテンバイクカップ」には北林力も出場し、北林力よりもランキングが高い選手も参加した。結果、北林力はトップから5分遅れの4位でゴールした。
長野県白馬村で北林力は生まれ育ったという。子供の頃は物静かな性格だったがスポーツには人一倍負けん気の強さを見せたという。小学生の頃に父の勧めで初めてマウンテンバイクに乗るようになり、そこから夢中になったという。北林力が目標にしているのはアジア選手権で、優勝すればパリ五輪の出場権を得ることができるという。北林力と山本幸平が初めて会ったのは、北林力が中学生の頃で、山本幸平は北林力の才能を見込んで海外レースに同行させるようになったという。
アジア選手権の直前に子どもたちにマウンテンバイクの魅力を知ってもらう大会が行われた。これまで山本幸平が先導役を務めてきたが、今回は北林力が先導役を務めたという。アジア選手権はインドで行われるということで北林力は10月にインドを訪れコースの下見を行った。北林力は雨の中で1時間走りコースを確認した。そしてアジア選手権が開幕した。大会には131人集まり、この日はチーム対抗リレーが行われた。ただ最後に中国の呂先景に逆転され日本は2位に終わった。
そしてアジア選手権決戦の日を迎えた。北林力は下見通りのライン取りで迷いなくレースを進めた。1週目後半に北林力が首位に立った。だが中国の呂先景に抜かれてしまい、結果は5位で終わった。北林力はオリンピックの出場権を得ることはできなかった。
2週間後。北林力は来シーズンに向けて走り出そうとしていた。北林力は「練習開始して来シーズンに向けて、次の目標に向かって」と語った。また北林力は「あれがきっかけで強くなったと言わせたい」と最後に語った。