ウクライナへの帰国が近づいてもレギナちゃんはいつもと同じように天真爛漫だった。3年暮らした東新宿の都営住宅を引き払うため、荷物を運び出した。子どもたちをウクライナで育てたいと帰国にこだわったのはマーヤさん。今はまだ危ないから子どもたちだけでも置いていってほしいというアナスタシアさん夫婦の願いは叶わなかった。ところがその頃、マーヤさんが帰るはずの地域にはミサイルが撃ち込まれ9人の子どもが亡くなった。和真さんから「帰国を取りやめるかもしれない」とメッセージが届いたのはその5日後。「子どもだけは残そうか」と言ったマーヤさんだったが、キャンセルしないことにしたという。感情が爆発したアナスタシアさんを見て和真さんは子どもたちの気持ちを聞いた。
マーヤさんはウクライナに残してきた障害のある兄ジェニャさんの世話をするため一時帰国したこともあったが、母親不在の日々が幼い2人と和真さんを近づけた。ウクライナ人コミュニティで、マーヤさんと同じように日本にいる知人らを頼って避難してきた人々に帰国することを伝えると、友人たちは引き留めようとした。アナスタシアさんの友人が暮らす町が攻撃を受けたとマーヤさんに伝えても「それでも帰りたい」という。
2025年5月24日、帰国を1週間後に控えて最後の登校を終えたレギナちゃんは小学校の友だちが連絡先を聞きに来た。出発の前日、空になった都営住宅ではマーヤさんが掃除をしていた。掃除が終わると、マーヤさんが空っぽの部屋を撮影し始めた。その日の午後にはマトヴェイくんの送別会も開かれた。和真さんは最後の夜を手料理でおくることにした。
マーヤさんはウクライナに残してきた障害のある兄ジェニャさんの世話をするため一時帰国したこともあったが、母親不在の日々が幼い2人と和真さんを近づけた。ウクライナ人コミュニティで、マーヤさんと同じように日本にいる知人らを頼って避難してきた人々に帰国することを伝えると、友人たちは引き留めようとした。アナスタシアさんの友人が暮らす町が攻撃を受けたとマーヤさんに伝えても「それでも帰りたい」という。
2025年5月24日、帰国を1週間後に控えて最後の登校を終えたレギナちゃんは小学校の友だちが連絡先を聞きに来た。出発の前日、空になった都営住宅ではマーヤさんが掃除をしていた。掃除が終わると、マーヤさんが空っぽの部屋を撮影し始めた。その日の午後にはマトヴェイくんの送別会も開かれた。和真さんは最後の夜を手料理でおくることにした。