東京都 世田谷区の一角に農園がある。大平美和子さんは先祖代々400年受け継がれてきたこの農園を守ってきた。86歳の高齢を迎える大平さんの代わりに農園を支えているのは近くに住むサラリーマンたち。収穫した野菜は母屋の隣の販売所へ運ばれる。無農薬と枯れ木などを発酵させた独特の堆肥で育てた野菜を買いに来る人は多い。畑が耕されるとムクドリやモズがやってきて土から幼虫を捕える。無農薬のため虫食いは避けられないがナナホシテントウやヒキガエルなどの益虫が活躍する。6月のこの日は野菜の種を取る日。牛の角というネギから種を取っていく。12月欅の落ち葉を集める大平さんはこの欅を「先祖からずっと大事に守ってきた木」だと話した。