ラネリのホテル前では住民が連日泊まり込んで抗議活動を行っていた。抗議活動の発起人で30年以上街に住むロイドさんは「差別的、無責任との批判も受けますがどれも当てはまりません」と話した。それでも反対するのはホテルがなくなれば街の基幹産業である観光業が大きな打撃を受けるためだった。収容施設にされるにあたり地元の従業員約100人が失業した。さらにイギリス全体で難民申請者の収容に年間約6800億円の予算が投じられていることにも疑問を感じている。不法移民を使った犯罪の規模は年々拡大しており、治安の悪化も懸念していた。イギリス各地から右派政党の支持者たちがラネリに集まり、ホテルに収容される申請者は難民ではなく不法移民だと主張し排除を呼びかけていた。極右的なネットメディアではヨーロッパが侵略されていると発信され、陰謀論まで拡散していた。住民たちは難民申請者への憎悪を口にするようになっていた。