リューキンを習得した翌年、橋本大輝は苦しみの中にいた。2023年1月、腰の疲労骨折が発覚。7月、1年後の自分へエールを記した。東京五輪の団体では0.103差で銀メダル。パリではエースとして金メダルを目指す。昨年、内村航平が日本代表の強化コーチに就任。世界選手権で8年ぶりに団体金メダルを獲得し、橋本は内村以来の大会3冠に輝いた。2024年1月、新年の始動とともに橋本は課題と向き合った。2月上旬、兄・拓弥さんと一時の団らん。拓弥さんは橋本選手が体操を始めるきっかけになった人。3月14日に順天堂大学を卒業した橋本選手。精神面が一番、成長できたという。4月3日、試合で行う技を確認する。2年かけて地道に強化してきた吊り輪。中でも中水平。そして鉄棒のリューキン。4月14日に全日本種目別選手権が行われた。吊り輪の得点は去年に比べ0.466もアップ。さらに鉄棒ではリューキンを完璧に成功しパリへ手応えを掴んだ。濃密な3年間を経て間もなく迎える2度目のオリンピック。パリで影響を受け継ぎ体操日本エースとして新たな歴史を刻む。