米国・科学雑誌「ブレティン・オブ・ジ・アトミック・サイエンティスツ」は、「終末時計」を1947年から毎年、発表している。ことしの時刻はこれまでで最も短かった去年とおととしよりもさらに1秒、時計の針を進めて、過去最短の「残り89秒」と発表。「終末時計」の針が進むのは、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻などを受けて10秒進んだおととし以来。科学誌は要因について、核兵器が使用されるリスクが高まり続けているとしているほか、気候変動をめぐって去年、記録上最も暑い1年となった一方で、長期的な対策が不十分だと指摘している。また、感染症の拡大のリスクやAIと軍事システムとの統合についても危機感を示した。ノーベル平和賞の受賞者でコロンビア・サントス元大統領は「米国・トランプ大統領が地球温暖化対策の国際的な枠組み、パリ協定から離脱する意向を示したことを非常に憂慮する」と述べ、時計の針を戻すには国際社会の団結が必要だと訴えた。