東京駅から千葉市の蘇我駅まで43kmを結ぶJR京葉線。JR東日本が発表した通勤快速と快速を廃止するというダイヤ改正が波紋を広げ続けている。きのうJR側は千葉市役所に出向き市長らに理解を求めた。JR東日本・土澤千葉支社長は「私どもの改正の目的とか狙いは3つあって、1：混雑の平準化、2：各駅停車しかとまらない駅の利便性向上、3：各駅停車の所要時間を短くする、この3点があると改めて説明した」と明かした。一方で神谷市長は「混雑の平準化も課題だとは思うが、それによって失われる市民生活、経済活動への影響、幕張新都心・蘇我副都心をはじめとする都市基盤、将来の発展の基盤が大きく損なわれる考え方については十分な説明を頂けなくて、私としては非常に不満」と反発。通勤快速が各駅停車になると止まる駅が14駅も増える蘇我駅の利用者は「通勤快速は便利なのでむしろ増やしてほしかった」「東京に着く時間が遅くなると色々と予定が狂って面倒くさい」等の声が聞かれた。一方で一宮町の馬淵町長は「沿線住民は通勤時間帯の速達性を前提として生活設計をしている。何の前触れもなくいきなり速達性を奪うのは公共交通機関としての自覚をかなぐり捨てた暴挙といわざるを得ない」と指摘。実はJR京葉線の通勤快速の一部はJR外房線の勝浦駅まで直通運転を行っていて、一宮町にある上総一ノ宮駅も通っている。一宮町は東京オリンピック・サーフィン会場に選ばれたことをきっかけに海辺で生活したい人などの移住が増えた。町のホームページには「通勤快速列車を利用すると、上総一ノ宮駅から東京駅へは約80分で到着します。上総一ノ宮駅は通勤快速の始発駅なので、座って通勤することも可能です」との一文が。通勤快速が廃止されると東京駅まで約20分余計に時間がかかるため移住者の増加にも影響が出るのではと懸念している。ところが3月のダイヤ改正は既に発表されている。土澤千葉支社長は「ダイヤ改正自体は予定通り進めるという方向で理解をいただきたいと思っているが、今回厳しいご指導もいただきましたので何がでるかこれから考えてまいりたい」と話した。