長野県の上高地は標高1500m、冬はマイナス20℃になる。上高地に生息するニホンザルは様々な知恵と工夫で生き抜いていく。夏にも一風変わった行動でピンチを切り抜けるという。スタッフはニホンザルの暮らしを追いかけた。5月、冬を乗り越えたニホンザルたちは、芽吹いたばかりの若葉を食べていた。この次期、若葉はニホンザルの主食になる。また出産シーズンを迎える。森の恵みがふんだんにある春はニホンザルたちにとって1年でもっとも穏やかな季節となる。夏が近づいたある日、群れのひとつが、いつもいる場所から突然姿を消した。登山客に話を聞くと、サルたちは槍ヶ岳の方に向かっている事がわかった。8月、取材班は登山するサルを見つけようと追跡をしサルを見つけた。場所は槍ヶ岳の中腹、標高2500mの場所だった。麓では食糧難に陥っていたため、移動をしているという。たくさんあった若葉は成長するにつれどんどん硬くなる。夏には食べるには不向きになり木の実もまだ熟していない。春の芽吹きは標高の低いところから高いところに向かって進む。サルたちは芽吹き前線を追いかけるように、山を登り高山帯までやって来た。