IAEAの年次総会で中国代表は「核汚染水」という言葉を用い日本の処理水放出を非難し「日本の無責任な行動を厳しく監視する国際的監視メカニズムを確立しなければならない」と主張した。高市科学技術担当相は、事実に基づかない発信や突出した輸入規制をとるのは中国のみだとけん制した。また、他の国から処理水の否定的な意見は出なかったとし、中国は孤立感を深めていると話している。中国が発表した貿易統計では、先月1か月で日本から輸入した水産物の総額は約30億円だが、前年同月比で67.6％減少している。大きく影響しているのは先月24日から始まった日本産水産物の全面禁輸。中国・上海にある日本料理店で、以前は日本の魚を使用していたが、輸入禁止後は中国産の魚がメインとなっているという。
処理水放出の影響は水産物だけではない。9月29日から10月6日まで「国慶節」の大型連休となる。規制などで国民の大移動が予想されるが、その行き先にも処理水の影響がでてきている。中国の旅行
会社では日本への団体ツアーの中止が相次いでいるという。今年の国慶節の人気旅行先には日本の名前は入っていなかった。行き先の一番人気はタイと見られている。タイ政府は中国人観光客の入国ビザを一時的の免除するという政策を取っている。日本国内では水産業を応援しようという動きが広がっている。東京都は水産物を食べて支援するというキャンペーンが実施される。すし店や鮮魚店の支払いでQRコード決済を行うと1回につき30％最大1000円相当までポイント歓迎されるという。期間は来月公判から1か月半で対象店舗は後日発表される。処理水の海洋放出1回目は完了しているが、海域のモニタリングは続けられている。環境省は毎週モニタリングを行っていて、今月11地点で測定を行ったがトリチウム濃度は検出下限を下回っていた。