今企業の間での人材（博士課程の大学院生達）獲得に向けた動きが加速している。文部科学省・経済産業省等は今年8月〜「博士人材の民間企業における活動促進に向けた検討会」を開催。京都にある半導体製造装置等のメーカーでは、年2人程度だった博士人材の採用を今年度は18人に増やした。技術革新が急速に進み、製造技術のアップデートが企業に求められている。博士人材の豊富な専門知識に加えて“新サービス”を生み出す力に注目している企業（博士人材60人以上在籍）の販売促進ロボットを紹介。三菱総合研究所研究員・中村幸太郎博士（医科学）によると、博士人材の専門性・仮説検証力等のスキルに着目し、製造業・金融・IT・脱炭素といったグリーンエネルギー分野等でも活用が広がっているという。一方で国の調査では8割近くの企業が採用していないと回答。中村博士は「既に世界では博士人材の奪い合いが加速している。日本企業が生き残るには能力に応じた形に処遇を改善しながら活用を広げる事が必要」と指摘している。