栃木孝惟 作詞/坂田美子 作曲「壇ノ浦〜安徳天皇入水〜」が流れた。1185年、源平最後の激戦、壇ノ浦の戦いがあった。戦は平家に有利な潮の流れで始まった。敗戦が続く平家にとって絶対に負けられない一戦でもあった。平家はかつて天皇もしのぐ程の権力を手にしていた。平清盛が一族の繁栄を願い建たつした厳島神社は瀬戸内海に浮かぶ美しい佇まいで平家の権力の象徴だった。この世の栄華を極めた平家だが壇ノ浦の戦いではその面影はなかった。いつしか戦の流れは源氏に有利となり、平家の敗戦は決定的であった。負けを悟った平清盛の妻・二位尼は幼い孫・安徳天皇を抱き寄せ孫もろとも深い海の底へ身を投げた。そんな平家の悲劇をかたり広めたのが琵琶法師であった。無常観に満ちた琵琶の音色は人々の心を打った。安徳天皇入水の報に胸を痛めた朝廷は壇ノ浦に寺院を建立した。それが現在の赤間神宮である。平家の物語は800年の時を超え琵琶とともに語り継がれている。