ムン・ジェイン前大統領夫人のキム・ジョンスクさん(69)はファッション代横領疑惑、ジャケット“借りパク”疑惑、外遊で“豪遊”疑惑など様々な疑惑が浮かんでいる。まずはファッションについて。SNS上ではこれまでの夫人のファッションを並べるような画像も出ていて、ムンさんが大統領在任期間中に夫人は衣装178着、アクセサリー207個を数億ウォンの政府費用で購入していたのではないかと言われている。先月のTV朝鮮の報道によると2年前の時点で市民団体が国庫損失などの疑惑で告発していた。夫人の洋服代に「青瓦台特殊活動費(政府費用)が使われた」という内容だった。青瓦台特殊活動費は犯罪捜査、諜報活動など機密保持が必要な業務の遂行に使用され、領収書処理なしで使用可能。使用権限があるのは国家情報院や大統領府などの中央機関。韓国には「国庫等損失罪」という罪がある。国または地方自治体の会計を担当する公務員等が罪を犯し損失が一定金額を超えた場合、金額に応じて懲役刑になる。夫人の場合は「国または地上自治体の会計を担当する公務員等」に当たらないため単独または直接的に罪の主体にはならない。罪となるケースとしては夫人が主導して会計担当の公務員に罪を犯させるまたは一緒に罪を犯すと共同正犯の可能性。またはそそのかしたりして罪を犯させると教唆犯の可能性がある。パク・クネ大統領は2021年1月懲役22年確定で服役したはその後御社で釈放された。懲役22年のうち懲役5年分は国庫損失の罪だった。ソウル・江南の有名衣装室によると夫人は数十着の服を現金数千万ウォン(数百万円)で買っていったという。服を買うときに使った現金は韓国銀行の帯封がついた「官封券」だったとみられる。官封券とは韓国造幣公社から発行されたばかりの新札ということで、一般の人は見ることさえできないお金だという。警察は現金の出どころを確認する方針。借りパク疑惑について。2018年、フランス訪問時のジャケットだが、シャネルのものでハングルモチーフの約100万円の高額なジャケット。シャネルからレンタルしてその後返したということだった。このジャケットは一昨年仁川空港に展示されたがネットではフランス訪問時のときと服の濃淡やハングルモチーフの位置が違うと議論があがった。韓国政府はおととし3月時点ではこのジャケットはシャネルに返し、シャネルが国立ハングル博物館に寄贈したものだとシャネル側も同じ証言をしている。ところがその1ヶ月後、展示されたジャケットは博物館の要請で別で製作・寄贈したもの。夫人が来たジャケットは返したあとフランスのシャネル本社で保管している。つまり別であることを認めた。ただ「国民の力」の議員から本社で保管されているというが誰も見た人がいないと検察に告発した。検察は先月国立ハングル美術館館長などを事情聴取。そして先月末にはジャケットを一番初めに展示した駐フランス韓国文化院の元院長を参考人として調査した。李先生によると夫人本人が持っていると見られている、検察が召喚する可能性は大きいという。さらに外遊で豪遊疑惑というのもある。2018年、インド外遊の際に世界遺産の「タージ・マハル」を訪問したが観光ではないかと批判が殺到した。批判の理由は当初のスケジュールでは訪問する予定はなかったこと。また過去の夫人の発言を見ると「次にインドに来たら必ずタージ・マハルに行きたい」と話していることから公私混同ではないかと言われた。ちなみに夫人の海外訪問回数は48回。通常は20回程度なので倍以上。野党議員からは「夫婦で世界一周をするのか!」、「死ぬまでに行きたい旅行先のリストがあるのでは」という批判も出るほどだった、などと伝えた。