イギリスではことし3月、非正規な方法で入国した人々について保護の申請を受け付けないとする新たな法案が議会に提出され激しい議論となった。この1年前に政府はは非正規な方法で入国した人々をルワンダに強制的に移送する政策も発表していた。厳しい政策を推し進める政府に対し、野党は非人道的だと反発。対立が続く中、法案は僅差で可決された。難民の受け入れをめぐっては国民の間でも論争が起きている。ことしウェールズ地方のラネリの4つ星ホテルを国が借り上げ、収容施設にする計画が報じられた。計画に反対する街の住民と外からやってきた人権団体との間では激しい口論が起きた。かつて難民や移民を多く受け入れてきたイギリスでは、今や外国生まれの住民は人口の15%を占める。外国にルーツを持つ首相や閣僚も出てきている。今イギリスで難民受け入れへの抵抗が強まっている背景には、難民申請者が急増していることがある。去年は過去最高の8万人以上に達した。各国政府は保護を求める人について入国方法を問わずに申請を受理し、審査の結果難民と認定されれば在留資格を与える。イギリスでは審査を待つ人の数が急増し国の負担が増す中、難民受け入れのあり方自体が議論を呼んでいる。