食道がんの標準的な治療として、日本では手術の前に2種類の抗がん剤を合わせて使う方法が取られてきたほか、米国やヨーロッパではこれに加えて放射線治療を行う方法が取られている。国立がん研究センターなどのグループは、これまで使われてきた2種類の抗がん剤に、ドセタキセルという抗がん剤を加えて3種類にする臨床研究を進めてきた。臨床研究にはおよそ600人が参加し、治療から3年での生存率は、3種類を使う方法が72.1％、2種類を使う方法が62.6％で、3種類のほうが生存率が高いことが確認できたということだ。一方、2種類の抗がん剤と放射線治療を組み合わせる方法の生存率は、2種類の抗がん剤を使う方法と統計的に差がなかったということだ。日本ではおととしから3種類の抗がん剤を使う方法が標準治療として取り入れられているということだ。