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「北光丸」 のテレビ露出情報

サンマ量が解禁される2か月前の6月10日、水産庁の北光丸が出港した。向かうのは釧路沖2000キロ。片道5日かけて向かう。北光丸は45の調査ポイントでサンマがどれくらいいるか推定する。あと2台も調査を行い、計3台の調査範囲は3300キロに及ぶ。日本を代表するサンマの研究者の冨士泰期さんも同行する近年、サンマの分布が変わってきている。それがサンマの沖合化と呼ばれる。年々、漁獲できる場所は東へと遠ざかり、今や太平洋の沖合まで行く必要がある。調査1日目、サンマは1匹もとれなかった。一方、サンマのエサとなるネオカラヌスというプランクトンは豊富だった。調査2日目、初めてサンマがかかった。ただ、サンマが多く分布する表面水温より低く、サンマにとって冷たい海だった。さらに、ほとんどが100グラムに満たない細いサンマだった。とれるサンマは2015年くらいから小さくなっている。調査3日目、サンマが多くいるはずの表面水温の海まで南下した。この日はほとんどサンマがかからなかった。エサの動物プランクトンはほとんどいない。
最新の研究によると、ネオカラヌスの分布に異変が起きていることが分かった。2008年から15年で、ネオカラヌスの分布は北へ大きく移動した。その数も大きく減少している。プランクトンの専門家が指摘するのは北太平洋での変化。ネオカラヌスの北上によって、サンマの分布も北の冷たい海へと変わってきているとみられる。調査10日目、再び北の海域に入った。従来のサンマがいた水温より4℃低い表面水温の場所にネオカラヌスが豊富にいた。この日は今回の調査で1番大きなサンマの群れだった。船を北へ進めると、サンマはパタリといなくなった。サンマが冷たい海域に行かざるを得なくなったことに、冨士さんは危機感を強めている。サンマが強めたい海域に向かうようになったもう1つの理由は、マイワシにもあると冨士さんは考える。マイワシはこの10年で急増し、サンマは北へ追いやられる形になっている。調査の結果、今年のサンマの来遊量は去年と同じ低水準にとどまる予報を出した。航海の間、サンマ漁に向かう台湾船がいた。この海は、日本だけでなく、台湾や中国の船がひしめき合う。数も少なくなり魚体も小さくなった今、冨士さんは負のスパイラルに突入しているのではないかと考える。

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