防衛大学校教授の小林文明氏が竜巻発生のメカニズム・身の守り方・最新の研究を紹介。竜巻とは積乱雲の雲底から地上に伸びた渦のことで漏斗雲として可視化される。昔から竜巻は珍しい気象現象とされており、その発生には多くの謎が。トルネードと呼ばれる大きな竜巻は回転する上昇気流を伴った巨大積乱雲「スーパーセル」から発生する。トルネードが発生するのはアメリカ中西部が多く、4月~5月の春先。日本では9月~10月にかけてが竜巻シーズンとなる。日本の竜巻は温帯低気圧に伴って発生し北海道から沖縄まで季節を問わず起こり得る。竜巻の風速は100m/秒を超えることもあり、自然界で最も大きな風速を生み出す。最強クラスの竜巻が発生した場合、空から馬や車が降ってきたり家が吹き飛ばされたりと、もはや地上で「絶対安全」な場所はなくなる。2012年に茨城県つくば市で発生した竜巻では2階建ての家が土台から飛ばされ中にいた中学生が死亡した。竜巻の怖さは風速だけではない。あらゆるものを吸い上げ渦に巻き込んだまま周囲に飛散させる現象などが発生。トタンなどの重量物はもちろん、サンダル、傘、雑誌なども竜巻に巻き込まれれば凶器となる。日頃から飛ばされそうなものは家の外に出さないようにするなど対策を心がけることが大切。
スーパーセルは降雹、落雷、ダウンバーストなど特徴的な現象をともなうため、地上にいる私達はスーパーセルから竜巻の発生を予想することが可能。巨大積乱雲が発達する数十分の間に避難対策を取ることができないわけではない。いかにして通常の積乱雲と巨大な積乱雲を見分けるかが鍵となる。竜巻の発生を感知したら屋外にいた場合、安全な建物を探して逃げ込み電柱や樹木から離れる。屋内にいた場合は、窓から離れて頭を守る、風通しの悪い場所へ移動、カーテンや雨戸を閉めるなどして対策する。現在気象庁の発表する竜巻注意報の的中率は決して高くない。現在のレーダーでは竜巻そのものを見ることは不可能であり、予測は極めて困難。新しく開発されたフェーズドアレイ気象レーダーは至近距離で竜巻を観測することに成功した。フェーズドアレイ気象レーダーのネットワークを構築すれば竜巻そのものをリアルタイムで把握することが可能となると考えられている。
スーパーセルは降雹、落雷、ダウンバーストなど特徴的な現象をともなうため、地上にいる私達はスーパーセルから竜巻の発生を予想することが可能。巨大積乱雲が発達する数十分の間に避難対策を取ることができないわけではない。いかにして通常の積乱雲と巨大な積乱雲を見分けるかが鍵となる。竜巻の発生を感知したら屋外にいた場合、安全な建物を探して逃げ込み電柱や樹木から離れる。屋内にいた場合は、窓から離れて頭を守る、風通しの悪い場所へ移動、カーテンや雨戸を閉めるなどして対策する。現在気象庁の発表する竜巻注意報の的中率は決して高くない。現在のレーダーでは竜巻そのものを見ることは不可能であり、予測は極めて困難。新しく開発されたフェーズドアレイ気象レーダーは至近距離で竜巻を観測することに成功した。フェーズドアレイ気象レーダーのネットワークを構築すれば竜巻そのものをリアルタイムで把握することが可能となると考えられている。