EAS(東アジアサミット)の外相会議がラオスで開かれ上川外務大臣は南シナ海で海洋進出を強める中国やロシアのウクライナ侵攻などを念頭に力による一方的な現状変更の試みは認められないと訴えた。会議はASEAN東南アジア諸国連合の加盟国に加え、日本、米国、中国、ロシアなどの外相らが出席して開かれた。この中で上川外務大臣は中国とフィリピンの対立が続く南シナ海の情勢について軍事拠点化や威圧的活動などエスカレートした行動に深刻な懸念を表明したうえで両国の対話が緊張緩和につながることに期待を示した。ASEANの外交筋によると会議では南シナ海の情勢について米国やオーストラリアなど複数の国から力の行使は認められないといった意見が相次いで出され中国側は米国などが状況を悪化させようとしているだけだと強く反論したという。また上川外務大臣はウクライナ侵攻は明白な国連憲章違反だと非難しロシア軍の撤退と一日も早い永続的な平和の実現が重要だと主張した。そのうえで法の支配に基づく国際秩序の維持強化が重要であり力による一方的な現状変更の試みは世界のどこであっても認められないと訴えた。