冬の大地震で特に注意が必要なのが低体温症。体や衣服が燃えることや、寒い体育館での生活でも体温が奪われ、最悪の場合は命を落とす可能性がある。元消防士の及川淳之助さんは、去年ようやく当時の事を話せるようになった。同僚10人が津波で亡くなり、自分だけが生き残ったと今も自分を責める気持ちが強いという。及川さん自身も南三陸の消防署にいる時に津波に飲まれ、3時間も海を漂流した。瓦礫に捕まりながら必至に耐えていたという。当時、津波からは逃れたものの低体温症で亡くなった人が大勢いた。及川さんは佐藤裕さんら3人の中学生に救われたという。及川さんは佐藤さんらが避難していた中学校に流れ着き、近くの工場へ運ばれた。布団の中にいた及川さんに半袖短パンになった佐藤さんら2人が抱きつき人間カイロを行い、及川さんは一命を取り留めた。及川さんは去年4月、津波に襲われた学校の様子がみられる気仙沼の伝承館の館長になった。
住所: 宮城県本吉郡南三陸町戸倉沖田69