国の原子力委員会がきょう公表したことしの原子力白書では、内閣府が全国6000人を対象に、原子力や放射線などに関するさまざまなリスクを受け入れられるかどうか尋ねた調査の結果が特集で紹介されている。それによると、「とても受け入れられる」、「受け入れられる」、「どちらかといえば受け入れられる」を合わせた回答の割合は、「放射性廃棄物」は27.6%だった。これに対し「レントゲン検査」は85.9%、「放射線治療」は78.2%だった。リスクを受け入れられるとした理由を聞いたところ、レントゲン検査や放射線治療では便益がリスクを上回るとする回答が多くなった一方、放射性廃棄物では1割に届かなかった。これについて白書では、個人に対する便益が大きいものはリスクが受け入れられやすい傾向が見られたとしたうえで、放射性廃棄物の処分などの個人レベルでは便益を感じづらい分野の問題の解決に向けては、社会的な意義について国民の理解信頼を得る継続的な努力が重要だと指摘している。