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「喜怒哀楽」 のテレビ露出情報

帝国劇場のエントランスは吹き抜けの大空間があり、頭上には原色の光が降り注ぐ。ここはステンドグラスが印象的でこの劇場を象徴する場所。階段は、非日常の世界の入り口で細部にわたるこだわりの数々。劇場内は一階席二階席をあわせ2000人を収容でき、座席の色は古代紫で落ち着いた色。天井にはじゃばらにおった折り紙のような構造。帝国劇場の美の魅力は、主張をしすぎない奥ゆかしさにあるという。帝国劇場が開場したのは1911年。大正時代には、竹下夢二がイラストを描いた宣伝文句が流行語に。昭和になると帝劇は映画館になっていた時期もあった。閉館した前の劇場の跡地に二年半の歳月と60億円の建設費を投じて建設された。建設計画の責任者は菊田一夫。劇作家、演出家として当時の大ヒットメーカーだったが劇場内部のデザインを任されたのが建築家の谷口吉郎。当時の谷口の代表作は赤坂の東宮御所。かつてのホテルオークラ本館のメインロビーなどこうした色気のわる和モダンのデザインが評価された。
谷口の巧みな光の使い方の最たるものには、ロビーにある。こだわったのは手すりの光る階段で、プラスチックの内側に木のスライスしたものを貼り付け、バックライトで木肌の内生しさを浮き立たせる仕掛けになっている。劇場内も様々な光の効果が計算されていて、中でも注目スべきは側面の壁。近づいて見上げるとバラバラの大きさの知育材が少しずつ角度を変えて設置されている。これが光と影の効果で奥行き感のある縦縞の複雑な模様を浮かび上がらせる。ロビーを見下ろす2階のカフェには外部に開けているこのカフェでは皇居前というロケーションを存分に味わえる場所で椅子の高さを窓にあわせそれ以上に高くしないというのが谷口の光の演出。また谷口は設計段階から様々な芸術家や職人を巻き込み議論を重ね一緒にこの空間を創り上げた。帝劇の建築的ステンドグラスと熨斗をイメージしたオブジェは猪熊弦一郎の作品。ステンドグラスは一面が高さ2.5mで幅は6.5m。これが6面もある。谷口と洋画家の猪熊は若い頃からの友人であり、谷口は日本のお祭りの色彩とリズムを表現したいと発注し猪熊がそれに答えてみせたのがこのステンドグラスだった。表現されたのはお祭りの色彩とリズム。和の雰囲気を残しつつ抽象的なアート作品に。この熨斗をモチーフにした作品も猪熊が手掛けたもので表面には特殊加工の黄銅版が貼られているがベースは木材。山形県の天童木工で大勢の職人が実際に木を結ぶようにして組みあげた。ロビーの壁には日本人の先祖が作ったはにわをイメージした埴輪色のボーダタイルが貼られている。
谷口はこの壁のタイルを陶芸界の第一人者の加藤唐九郎に依頼。しかしなかなか谷口が思うような色はでず何度もやり直した。加藤唐九郎が2年間で使う土を使い果たしたというほど試行錯誤が続いたが谷口の美学が詰まった劇場だという。帝国劇場のリニューアルの責任者は東宝の菊田一夫。その劇場には菊田のこだわりが詰まっているという。

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