北朝鮮は、きょう未明、日本の海上保安庁に対し、きょう午前0時から、来月4日午前0時までの間に、衛星を打ち上げると通告した。きのう行われた日韓首脳会談では、北朝鮮問題をめぐり、連携をさらに強化していくことで一致した。3月の国連安全保障理事会で、北朝鮮の制裁状況を監視する専門家パネルの任期を1年間延長する決議案の採決が行われたが、中国は棄権した。ロシアが拒否権を行使したことで、決議案は否決された。日本政府は、北朝鮮が核・ミサイル開発を加速させかねないと懸念を強めているという。日韓は、北朝鮮の非核化を目指し、北朝鮮に影響力を持つ中国に建設的な役割を果たすように求めた。北朝鮮の衛星の打ち上げ通告について、神保は、北朝鮮は、日中韓の首脳会談にあわせて、不快感を持っていることを表明する意味もあるなどとし、中国については、原則論では、北朝鮮が核を保有することには反対しているが、段階的に非核化を迫っていく交渉をするしかなく、アメリカや韓国などに対して、北朝鮮が安心できる軍事体制に変わるよう、北朝鮮を交渉の材料として使う立場に変わっているなどと話した。きょうの共同記者発表で、岸田総理の発言には、北朝鮮の非核化という文言が入っていたが、李強首相の発言には、入っていなかった。神保は、日韓と中国では温度差があり、日韓は、完全な非核化を求める立場に中国を引き込もうとしているが、中国は、同じペースには乗らないという立場を示しているなどと話した。米中関係は、去年のAPECに中国が参加したことで、相対的な安定を取り戻しているが、経済的な競争関係は残っていて、中国は、日中韓の経済関係の新たな現実を作ることができれば、アメリカへの交渉のてこになると見定めたとみられるという。神保は、北朝鮮の核兵器・ミサイル能力は着実に上昇していて、朝鮮半島で緊張が起きたときに、核兵器が使用される可能性は年々高まっていて、この状況に対応したい思いは、日中韓に共通しているが、そのアプローチにはまだ差があるなどと話した。日韓首脳会談で、岸田総理は、尹大統領に対し、拉致問題の即時解決に向けて協力を求め、尹大統領は、日本の対応を支持するとした。北朝鮮による日本人の拉致問題については、2018年の日中韓首脳会談の共同宣言で初めて明記された。神保は、ことしに入り、金与正氏から2度に渡り、日本側の姿勢は、従来の安倍政権が示した方針と変わっておらず、対話ができると思わないほうがいいなどという厳しい発言があり、日朝首脳会談の雲行きはあまり良くないとみられるなどとし、今回の共同宣言で、拉致問題が明記されるかどうかは、中国側の動き次第であり、情勢は不透明だなどと話した。