公立の小中学校の水泳の授業を民間に委託する動きが広がっている。学校のプールの維持費を削減できるほか、専門性の高い授業が受けられることや教員の負担減など、多くのメリットがある。福岡県古賀市では、今年から小中学校全11校の水泳授業を民間事業者に委託する取り組みを始め、スイミングスクールで、プロのインストラクターが指導している。先生はプールサイドで見守る。屋内で天候に左右されないメリットもある。一方で、11校すべてが1つの施設で授業を行うのに加えて一般の利用者もいるのでまとめて授業を組むことができないため、3月まで継続して行う形を取った。太宰府市では4年前から一部の小学校で水泳授業の委託を行っている。こちらは施設の営業時間を遅らせることで、小学校の授業へ貸し切りとなる時間が作られた。今後は市内の全小中学校に広げる計画。一方で、民間委託を広げることに難しさを感じる自治体もある。福岡市は今年、小学校3校の水泳授業を民間委託しており拡大していきたい考えだが、人口に対して施設の数が十分でなく踏み切れていない。貸し切り時間の工面のほか、移動時の安全確保なども課題。