問題「『菊池寛』出版社に殴り込んだ理由は?」正解は「自身がモデルの小説」。菊池寛が出版社に殴り込んだのは昭和5年、すでに文壇の大御所と呼ばれるほど大物になっていて当時銀座のカフェーがお気に入りでよく顔を出していた。カフェーは女給が客をもてなし酒も楽しめる店だった。事件の発端は「女給」という小説が載った雑誌「婦人公論」。シングルマザーで女給として働く主人公を執拗に口説くモテない男が出てきて雑誌の広告で男を「肥って実業家のような文壇の大御所」と表現。明らかに菊池寛がモデルだと分かるような書き方をしていた。これを知った菊池寛は殴り込む前に作家らしく抗議文を送った。これに対する雑誌側は抗議文に違うタイトルを付け、持ち込み原稿として雑誌に掲載、菊池寛はついに切れて出版社に殴り込みに行ったということ。殴られた編集者と菊池寛の双方が訴訟を起こす事態になったが「女給」の作者が仲介で告訴は取り下げられ、事件への注目が集まったことで小説「女給」は大ヒットした。