小石川植物園には1939年に竣工した植物園の顔の本館がある。安田講堂を始めとする東大本郷キャパスの大部分を設計しモダニズム建築の傑作とも言われている。歴史ある植物園で生まれたのは牧野富太郎が編纂した大日本植物志。挿絵にはもう一つ驚く美の秘密が。画家の石川美枝子さんはボタニカルアートを描くが、その作品は海外でも評価される。石川さんは牧野のヤマザクラの絵に衝撃をうけたというが、桜をこんな風に描いたことがなかったという。牧野の描く桜の枝は真ん中にまっすぐある。石川さんの桜は自然界にあるように枝が斜めに描いている。彼岸花も真っ直ぐで実際の花は垂直なものはない。植物を正確に伝えたいという思いだけで磨き抜いた者術で腕をふるい、たくまざる美しさに。
住所: 東京都文京区白山3-7