東京・杉並区・桜上水駅近くにある地元に愛されている「とんかつ山路」。創業約50年。店を1人で切り盛りするのは店主・山路順さん74歳。地元で愛される理由は安さとボリューム。明治大学陸上部の学生のお目当てはL定食。ラージ定食の略。ご飯は大盛りを通り越したマンガ盛り。メニューには載っていない体育会の学生限定のメニュー。しかし昨今の米不足の影響を受けライスを並盛りに変更。日本大学バスケットボール部の学生も食べるのはL定食。先週米がなくなり、1週間臨時休業を余儀なくされた。途方に暮れていた山路店主を助けてくれたのは、昔店に通ってくれていた元学生。福島の実家の農家から送ってもらった60キロの米で急場をしのぎ、新米が出回るまで耐えるつもり。店内の壁にはびっしりとサインが、かつて店に通い山路を慕うアスリートたちのもの。中にはパリ五輪で一躍、時の人となった選手も。陸上女子やり投金メダル・北口榛花選手。元ハンマー投の金メダリスト・室伏広治さんも常連客。米や物価の高騰もあり利益はほぼ出ないという。それでも店を続ける理由について山路店主は「人間関係とか楽しい」と語った。