塚本明里さんが病気を発症してから7年が経った2013年、岐阜大学医学部付属病院で詳しい検査を受けると、3つ目の病気「脳脊髄液減少症」が見つかった。髄液に浮いている脳が髄液の漏れによって浮力を失って垂れ下がり、神経や静脈を引っ張ることで激しい頭痛や体のだるさを引き起こす病。先に診断されていた2つの病気と同じ脳に関わる病であることから関連が疑われている。この病気には有効な治療法があるという。髄液が漏れ出している部分に患者本人の血液を注入して固める「ブラッドパッチ療法」だ。明里さんのケースではどこから漏れ出しているか不明のため、腰と首の2か所に血液を注入した。治療には激痛が伴う。1回の治療で治る患者はわずか1割、3回やってようやく8割近くに効果があるという。
2013年8月、明里さんの兄に息子が生まれた。明里さんはおいを抱っこしながら「赤ちゃん産みたいね」と語った。明里さんが抱える病気の1つ「筋痛性脳脊髄炎」は日本に8~24万人の患者がいるといわれるが、周囲の理解不足に苦しむ人も少なくない。明里さんが立ち上げたHPには悲痛な叫びが寄せられている。井上洋子さん(仮名)が自身の経験を語ってくれた。明里さんは主治医の勧めで身体障害者手帳を取得して医療費の助成を受けられることになったが、手帳の取得は医師でも難しかったという。この病気に関する国の研究は2003年に始まり、これまでに診療ガイドラインなどが公表されているが、特殊な病気という扱いで情報へのアクセスが医師でも難しいという。医療行政に詳しい専門家は「厚労省も問題解決に努めているが、患者の期待につながるほどの進捗はないと言っても過言ではない。興味ある医師が専門学会に行ったり、学術論文を見ないとわからないのが現状。大事なのは医者が理解してくれること」と語った。明里さんは病名が分かっただけでほっとしたという。薬の量はなかなか減らなかった。
2013年8月、明里さんの兄に息子が生まれた。明里さんはおいを抱っこしながら「赤ちゃん産みたいね」と語った。明里さんが抱える病気の1つ「筋痛性脳脊髄炎」は日本に8~24万人の患者がいるといわれるが、周囲の理解不足に苦しむ人も少なくない。明里さんが立ち上げたHPには悲痛な叫びが寄せられている。井上洋子さん(仮名)が自身の経験を語ってくれた。明里さんは主治医の勧めで身体障害者手帳を取得して医療費の助成を受けられることになったが、手帳の取得は医師でも難しかったという。この病気に関する国の研究は2003年に始まり、これまでに診療ガイドラインなどが公表されているが、特殊な病気という扱いで情報へのアクセスが医師でも難しいという。医療行政に詳しい専門家は「厚労省も問題解決に努めているが、患者の期待につながるほどの進捗はないと言っても過言ではない。興味ある医師が専門学会に行ったり、学術論文を見ないとわからないのが現状。大事なのは医者が理解してくれること」と語った。明里さんは病名が分かっただけでほっとしたという。薬の量はなかなか減らなかった。
住所: 岐阜県岐阜市柳戸1-1