石山春平さん(87)。75年前にもらえなかった小学校の卒業証書を受け取った。石山さんは静岡県御前崎市の小学校に通うも6年生の時ハンセン病と診断され強制退学に。ハンセン病は「らい菌」によって感染し、熱い・冷たいなどの感覚を失うほか治療が遅れると顔や手足に後遺症が残ることが多く偏見につながった。特効薬の登場により治る病気となった後も国は形を変えながら法律を残し、患者の隔離を続けた。2001年に裁判所は国が誤った法律に基づいて著しい人権侵害を患者に行ったと認定、国も謝罪した。石山さんも15年間、世間と隔たれた生活を余儀なくされた後、障害者施設などで働き家庭も持った。終戦直前の1945年に創設された国立駿河療養所。全国には元ハンセン病患者が生活する療養施設が14あり、治療が終わったとしても家族と離れた生活をおくらざるを得ない人達がいる。国立駿河療養所の入所者は最も多い時には470人いたが現在は38人になった。この療養所で亡くなった大部分の人は納骨堂に眠る。偏見や差別は令和の時代にコロナ禍で顕在化した。正体のわからないものに相対した時に生まれる偏見や差別。ハンセン病をめぐる軌跡は正しい知識を持ち正しく恐れるよう私達に呼びかけます。