盛岡市のNPO法人、成年後見センターもりおか。16年前、障害のある子を持つ親たちが中心となって立ち上げた。成年後見制度では通常弁護士などが後見人となり財産管理などを行うが、もりおかの取り組みではセンターそのものが後見人となる。親が亡くなった場合、同じように障害のある子を持つ親たちが他のスタッフたちとともにグループで支援を引き継ぐ。法的なアドバイスも受けている。弁護士が参加して月に2度、“スタッフ会”と呼ばれる会議を開催。この日も福祉や行政、金融など様々な現場経験を持つスタッフ約20人が集まった。そこであるスタッフから「支援対象女性が別の知的障害がある知人と旅行を希望している。財産を使うのを認めていいか」という相談があった。これに対し弁護士は「支出は高額ではなく問題ない」と指摘。さらに安全のため、「行く先々の交通機関に事故・トラブル時の支援をお願いしてはどうか」と提案。結果、スタッフ会として旅行代の使用を認め、応援していくことになった。