本屋大賞が発表された。滋賀県を舞台にした話題作が選出された。ことしで21回目を迎えた本屋大賞。大賞作品は宮島未奈さんの「成瀬は天下を取りにいく」。滋賀県在住の宮島未奈さんのデビュー作が受賞。出版からわずか1年で続編を発表し累計発行部数58万部の大ヒット。作品の舞台は滋賀・大津市。主人公・成瀬あかりと周囲の人々の交流を描いた青春小説。実在する百貨店・西武大津店の閉店を描いたエピソードでは成瀬が夏休みの間、毎日通い続けるなど地元愛にあふれる姿が描かれる。何事も全力な成瀬のキャラクターや滋賀のローカルな話題が人気となり、出版直後からSNSに投稿された感想は1000件以上。今では聖地巡礼のために県外から多くの人が押し寄せる。なぜ滋賀を舞台に作品を描いたのか?宮島さんは「滋賀って自虐ネタとかそういうふうに語られてきたが生活の場としての滋賀を書いたつもり。滋賀ならではで面白いなということを小説に詰め込んだ」などと述べた。作品には滋賀の小学生が体験する学習船の話など滋賀あるあるが盛り込まれている。宮島さんは「各地でご当地小説ができたら楽しいだろうなと思う。滋賀には成瀬がいるけど、他の県には誰々がいるとか本から地域が盛り上がっていくのは面白い」などと述べた。