去年10月行われた、即位礼正殿の儀にはチャールズ皇太子など国内外の要人が招かれていた。その要人の中で、ロドリゴ・コロネル駐日特命全権大使が恩人の日本人女性を捜していた。彼女は28年前、16歳のロドリゴ大使がアメリカに語学留学した際のクラスメイトだった。ロドリゴさんが言うには、彼女が教えてくれた折り鶴のおかげで大使になれたという。
ロドリゴ大使がアメリカに留学して間もない頃、女性は自己紹介で折り鶴を見せた。ロドリゴ大使は自分のノートを破って折り鶴の折り方を彼女に聞いたが、なかなか教えてもらえなかった。2週間後、やっと折り鶴の折り方を教えてもらえた大使だったが、彼女は1日1折り1工程しか教えてくれなかった。彼女はロドリゴ大使が折った折り紙の1ミリのずれも許さず、何回もやり直しとなった。約3か月が過ぎた頃、最後の工程で躓いていたロドリゴ大使は折り鶴を最後まで折って彼女に見せていた。