兵庫・加古川市で移動美容室を行っている安大陽平さんは30年近く美容師として働きながら3年ほど前から訪問理美容師として活動している。安大さんは「お客様が高齢になって、とか障害があるとかというところから来られなくなっている方が増えてきて、車でできたらいいなというのが一番のきっかけ」と話した。安大さんは子どもに障害があり、店にいって髪を切ってもらうのは簡単ではないと感じていた。それなら店側が出向こうと「福祉理美容師」という資格を取り移動美容室を始めた。兵庫・三木市に住むある家族の元へ出向いた。足が不自由な男の子も車いすのままリフトであげて髪を切ることができる。この日は子ども3人そろってヘアカットした。利用する人に負担がかからないよう、使う道具も変えている。長時間座ることが難しい人にはクッション性の高い椅子を用意した。カットしながら髪を吸い込むバリカンを使い、大きな音が負担にならないよう箱に入れて音を遮断している。安大さんの活動にひかれ半年前から訪問理美容師になったあきらさんは祖父母の髪を切って喜んでもらえた経験から困っている人を幸せにしたいと考えるようになった。安大陽一さんは「訪問理美容師という目線では同じように頑張っていってもらえる美容師がいて欲しいという願いは本当にある。できるだけリードしながら今後活動としてみんなが動きやすい体制を作れたらと思う」と話した。福祉理美容士は日本理美容福祉協会が認定している資格。安大さんたちは今後はトラックの数を増やす予定だということ。