ゲスト・石黒さんの日経平均予想レンジは38,100円~38,700円で、「きのう前場でTOPIXが2%以上大幅下落したが、日銀は異例のETFの買いを見送ったということもあり、金融政策正常化の思惑が強まりやすい状況だと思う。そういった意味では投機的な売りが優勢となり、株価はマイナス圏での推移となりそう」と話した。また、注目ポイントには「日本株上昇のカギを握るROE(自己資本)」と挙げ、「日本は賃金と物価が上昇する好循環をはじめとする”脱デフレ”への期待が高まる中、企業が利益確保のために値上げできる環境が浸透しつつあり、企業の利益改善につながっていることが足元の日本株上昇につながっていると思う。加えて株式の持ち合い解消だったり自社株買いなど資本効率の改善に向けた動きが加速しつつあることもプラスだと思う。主要株価指数のROEとPBRの関係を見てみると、日本企業のROEの拡大によりPBR面でようやく中国を逆転して最下位から脱出した。今後もROEの拡大が継続するかが日本株の動きを見る上で大事になると思う。海外投資家の日本株の売買動向は日本企業のROEの動向に概ね連動している。近年は海外株と比べ日本株の稼ぐ力が低かったが、足元では日本企業のROEが着実に改善してきており、海外投資家の日本株の買いにつながっていると思う。2015年のアベノミクスピークと比べると現在の海外投資家の日本株の持ち高は11兆円ほどまだ少ない状態にあり、海外勢の日本株の買い余地は依然として大きいんじゃないかと思っている。純資産から計算してみると、日経平均の1年後の1株あたりの純資産は2万8,000円と推計しており、日本企業のROEは現在9%だが、これがインフレと企業改革で10%まで拡大する確度高まると、日本株のPBRは1.7倍の評価となる。そうなると2025年の3月末の日経平均株価は純資産の2万8,000円×1.7倍で4万7,000円を超える展開も十分あるんじゃないかと考えている」と話した。