国会ではきょう石破総理大臣の所信表明演説が行われる。焦点の「103万円の壁」については引き上げを表明する方針。少数与党として羅針盤もないままに厳しい国会運営を迫られる石破総理としては、「103万円の壁」の引き上げをあえて明言することで国民民主党との距離を縮めたい狙い。所信表明演説は午後衆参の本会議で行われ石破総理肝煎りの防災庁設置や自衛官の処遇改善などが盛り込まれる方向。来年の春闘でも大幅な賃上げを実現する意欲を示す考え。ただ演説で石破総理が最も強調するのは少数与党として野党の意見も丁寧に聞きながら幅広い合意形成を図る姿勢。総理側近は「石破さんらしさを出すよりまずはやるべきことをやる。そうしないと大変なことになる」と危機感をあらわにする。政治の意思決定の重心が総理官邸から野党も含めた国会へとシフトする、変化を象徴するような演説となりそう。