アンドリーイウカの学校はロシア軍に占領されたときの爪痕が今も残されていた。学びを止めない環境の確保が課題となっている。いま進められているのが安全な学習スペース。校舎の地下では子どもたちが授業を受けていた。地下シェルターも兼ねているため防空警報が鳴っても授業が中断することはない。これまでに国内約160箇所に整備され一部は日本からの寄付で賄われている。また教育機材の多くはJICAが供与している。教育を進めていく上でウクライナ政府が重要と考えているのが復興を見据えた人材育成。先月ウクライナの教育科学省の幹部などが来日し東京都内の中高一貫校を視察した。注目したのはICTを用いた教育。この学校ではすべての授業でタブレットなどデジタル機器を使う取り組みを導入している。視察団はICTを利用すれば学校に通えない生徒へのオンライン授業に役立つだけでなく将来国の復興を担う子どもたちへの高度な教育が可能になると期待している。さらに傷ついた子どもたちに再び学びに集中してもらえるよう心のケアも大きな課題。ウクライナ使節団は心のケアを専門に行う国立の医療機関に訪れた。使節団は東日本大震災で被災した子どもたちの心のケアにあたってきた医師から治療の難しさと心がけるべきポイントなどを聞いた。今回の視察を通じて今後より具体的な支援内容について日本側と協議していくこととなった。