米国のエネルギー省傘下のNNSA=核安全保障局は、核爆発を伴わない臨界前核実験を5月14日に西部ネバダ州にある核実験場で行ったと発表した。実験は、核弾頭の安全性や有効性を確保するために重要な情報を収集することを目的としたもので、成功したとしている。今回の実験は、バイデン政権下で実施が確認された臨界前核実験としては、3年前の2021年9月以来で、3回目。米国は1992年から核爆発を伴う核実験を一時停止しているが、臨界前核実験については歴代政権が続けていて、今回で通算34回目になるとしている。米国は、CTBT=包括的核実験禁止条約を批准していないが、NNSAは今回を含め、いずれの臨界前核実験もCTBTに抵触するものではないと強調している。NNSAの高官は声明で「爆発実験を再開することなく重要なデータの収集を継続するため、今後こうした臨界前核実験を行う頻度を上げる計画だ」としている。