撮影2日目。早朝5時、食堂を覗くと、朝からトレッキングに行くお客さんたちが食事をとっていた。トレッキングは約25kmを歩く。8時前、お客さんも参加するお掃除大会がスタートした。ユースホステルでは宿のスタッフを「ヘルパー」と呼ぶ。8時過ぎ、海を見ながら話し込む2人組がいた。昨夜の34年ぶりに来たという女性と、ヘルパーの男性だった。男性は女性の息子さんとほぼ同い年だという。男性は大学を休学しており、来年は大学に戻らないといけないという。女性の息子さんも休学したことがあるという共通点があった。「バーニングさん」と呼ばれる年配のヘルパーがいた。バーニングさんが18歳の時の浪人生活中に行き詰まり1人旅に出た際、最初に泊まったのがこの宿だった。今から54年前の話。この宿の人たちを見て、「もっと気楽に生きていいんだ」と思えたという。ここのヘルパーはみんなもともとはお客さんだった。夕方、トレッキングに参加した人たちが帰着し、盛大に出迎えられた。初めて来て戸惑っていたきのうの女性2人組も慣れてきた模様。この日も新たに14人の宿泊客が到着、京都から来た27歳の画家などがいた。
住所: 北海道礼文郡礼文町香深元地