先月31日、自民党の森山裕幹事長は、自民・公明の与党に加えて、国民民主党の3党で税制の議論を進めると明言した。国民民主党は、103万円の壁の撤廃を主張している。自民党の税制調査会は、実質的に税制を決めることが多く、総理も口出しできない聖域と呼ばれている。各業界団体の関係者らが税制改正の要望を書いたプラカードを掲げ、自分たちの主張をアピールすることもあった。自民党の税調は、税に精通した議員からなり、毎年度の具体的な税制を審議する一方、政府の税調は、大学教授や業界団体の代表らからなり、中長期的な観点から税制を検討する。1959年、自民党の税調が発足した。当初は、単なる調査会で、政府の税調が主導権を握っていた。1970年代以降、増税を決定することが税調の大きな役割になり、増税を決められるのは国会議員しかおらず、自民党の税調が影響力を大きくしていった。1986年には、当時の自民党の税調会長・山中貞則氏が、政府税調を軽視しているのではないかという記者の質問に対し、軽視しない、無視すると答えた。専門家によると、自民党の税調は簡単に外部の要望をのむことはなく、石破総理でもコントロールが難しいという。国民民主党が掲げる103万円の壁の撤廃に対し、ゼロ回答では不信任案が提出される可能性もあるため、何らかの譲歩をするとみられるという。