人は初対面のとき、過去の記憶から相手と似た人物を探し出し危険か察知する可能性がある。一方、その人物にいい思い出があった場合、脳が快楽物質ドーパミンを大量放出するのが一目惚れの仕組みの1つ。また好きではなくても目を見て話し承認されたと感じるとドーパミンを放出する。扁桃体は隣に収められた海馬に収められた記憶を参考に人の好き嫌いを判断している。一度、危険な人物と判定させると危害が及ばないようパペッツ回路を通して、その人物の嫌なエピソードと印象を刷り込む。一方、好きという感情は命に関わらないため記憶に焼きつけられにくい。嫌いはパペッツ回路で増幅されあっという間にめっちゃ嫌いに。めっちゃ嫌いを一気にひっくり返すことができれば感情が逆転しめっちゃ好きに。イチから興味を持たれるより近道の可能性がある。好きという感情が芽生えたとき脳の帯状回の活動が大きくなることを応用した実験「デック・ネフ」。試験者には何も教えず帯状回の活動を円の大きさでリアルタイムで映し出す。それと同時に嫌いの人の写真を見せて「この円を大きくしてください」と伝える。円の正体を知らない被験者はどうずればいいか分からず試行錯誤する。しばらくすると帯状回の活動を自らの意思でコントロールして円を大きくできるようになる。しかも帯状回の活動が活発化した結果、嫌いだったはずの写真が好きになってしまったという。それは感情の強度はそのままに好きと嫌いを逆転してしまったためと考えられる。