コロナ禍で激減したスーツ需要はその後も職場のリモート化やカジュアル化の波の押されている。そんなスーツ業界で店舗数を46にまで拡大し、最高収益を記録したスーツ店がある。それが創業101年の老舗「オーダースーツSADA」。オーダースーツは高いというイメージを壊したのが老舗の4代目社長・佐田展隆。佐田社長は「自社のオーダースーツを着て無茶なことをしてスーツの耐久性と運動性を示す動画を撮ってSNSで発信している」と話した。オーダースーツはお試し1枚1万9800円から。大学時代、ノルディック複合の選手だった佐田社長はスキージャンプをスーツで行い、動画を撮っている。洗濯機で洗えるスーツや柔らかくて伸びる部屋着のような着心地のパジャマスーツなど、機能性スーツの売り上げが上昇。佐田社長は「ビジネススーツは感謝と敬意を会う相手に伝えるためのアイテム」「この人は本当に自分を大事に思ってくれている、礼を尽してくれているという印象を与えられるスーツ」「その道を追及していきたい」と話した。元々は生地の卸売とオーダースーツの縫製を請け負う工場として成長した会社。先代の社長は最新設備を備えた工場を中国に建設するも、バブル崩壊で倒産寸前になる。そこで起死回生の策として小売りを始めた。工場直販という強みを生かし、安価なオーダースーツの販売に乗り出した。宣伝費もない中、YouTube作戦を始め、スーツをPRし続けた。佐田社長は「祖父から迷ったら茨の道を行けと叩きこまれている」「人間は目先の楽な選択をしたがるが、それは人間の本能だから本能を理性の力でねじ伏せたら絶対にこっちにいくべきだというのが明確になる」と話した。そしてヒットした1万9800円のオーダースーツは生地からデザインまで細かく選べる。採寸は約20か所、自分では分からないような体の癖もミリ単位で補正。ウエスト周りはプラスマイナス3cmまでは無料でお直し。佐田社長は「3年ぐらいで見ると、だいたい客の半数がリピートしてくれている」と話した。