海王丸は船乗りを目指す若者を育ててきた練習船。一等航海士・八田一郎教官は実習生たちの憧れの存在だった。2004年10月1日、海王丸は東京湾を出港。10月20日に富山湾に到着。大型台風23号が日本列島を縦断し、錨泊中の海王丸は岸に流された。実習生は第一教室に避難。海王丸は防波堤に座礁し、船内は浸水が始まっていた。実習生の宮崎さんを奮い立たせたのは八田教官の言葉だった。海王丸の座礁事故はニュースになり、日本中が生中継を見守っていた。高波により陸からの救助は不可能で絶望的な状況。海王丸には一般客も乗っていてパニックが起きかけていた。