博物館や資料館で収蔵場所の確保が大きな課題となっている。中でも、民具は各地で廃棄が進みかねない事態になっている。民具は庶民が暮らしの中で生み出し使ってきた様々な道具類。形や種類が多様で群として価値を持つのが特徴。たくさん集めることで地域ごとの特製が見える反面、スペースを圧迫し管理が行き届かなくなる面もある。奈良県立民俗博物館では民具を約4万5000点所蔵していて館内の収蔵庫は満杯。資料の一部を移動するなどの作業のため7月から展示室の公開を当面休止する事態になっている。場所の不足は全国各地で共通する課題。民具存亡の最初の危機は高度経済成長期の頃。現在直面している、収集資料がやっかいもの扱いとなっているのは第二のが危機。
直接的な解決策はスペースを増やすこと。ただ、資料が増えれば同じ課題に直面することになる。そこで有効なのが保存の基準・方針を決めること。デジタルアーカイブ化などを理由に安易な廃棄につながれないよう、開かれた議論と緻密な検討が欠かせない。民具継承に向けては、どのような民具を所蔵しどんな状態で保管しているかを多くの人に知ってもらうことも必要。福島・只見町の「ただみ・モノとくらしのミュージアム」では収蔵庫そのもを公開する収蔵展示になっている。背景には長年にわたる住民参加の蓄積がある。民具の保存と活用について考えることは地域ならではのアイデンティティを見出すことにつながる。
直接的な解決策はスペースを増やすこと。ただ、資料が増えれば同じ課題に直面することになる。そこで有効なのが保存の基準・方針を決めること。デジタルアーカイブ化などを理由に安易な廃棄につながれないよう、開かれた議論と緻密な検討が欠かせない。民具継承に向けては、どのような民具を所蔵しどんな状態で保管しているかを多くの人に知ってもらうことも必要。福島・只見町の「ただみ・モノとくらしのミュージアム」では収蔵庫そのもを公開する収蔵展示になっている。背景には長年にわたる住民参加の蓄積がある。民具の保存と活用について考えることは地域ならではのアイデンティティを見出すことにつながる。