リーダー育成は企業の課題だが、リーダーの意思決定を学ぶために社会課題を議論している企業がある。都内の大手物流会社は器量の役割や社会的責任を考えようと、社内で選抜された9人が水俣病に向き合った。水俣病は原因企業のチッソが、メチル水銀を海に流したことで発生し、多くの命や健康が犠牲になった。参加者からは利益を追求する企業が、被害者の声を拾い上げなかった問題点が指摘された。課題に対し実感を持つことが大切だという考えから、参加者は現地にも足を運んだ。参加者は原因企業により地元に収入が雇用が生まれた複雑な背景も学んだ。その中でも参加者の印象に残ったのが家族がチッソに勤め、生活を支えられながらも、支援に奔走してきた地元の女性の声だった。課題に直面した時の意思決定では、様々な立場を忘れてはいけないという意見が出された。