暗い山の周りが光った次の瞬間、遭遇したのは、噴火する山に伸びる激しい稲妻だった。ハイキングに来ていた女性はこの日、思わぬ場面に遭遇した。それを捉えた映像が、暗闇に浮かび上がった何本もの稲妻。稲妻は山の頂上あたりにまで伸びている。稲妻が走ったおよそ5秒後には、激しい雷鳴が轟いた。映像に映る山は、グアテマラにあるフエゴ山という火山。女性が噴火の様子を捉えるためカメラを向けていたところ、雷が発生したのだという。撮影した女性は「心臓が胸から飛び出したような感じでした。全ての苦痛、山に登って寒かったり、お腹がすいたりしてつらかったことを忘れさせてくれるくらいの価値があった」と話す。女性がこの動画をSNSに投稿したところ、2千数百万回も再生された。この映像を見た“火山の専門家”九州大学・相沢広記准教授は「火山雷だと思う。マグマが噴出して軽石とか火山灰とかがこすれあうことによって帯電し放電を起こす」と話し、噴火した際にしか起こらない希少な現象だと指摘する。加えて「(今回撮影された映像は)光っている時間が3秒と長い。かなり放電しないと、こういうことは起こらない。(普通の)火山雷より珍しいんじゃないか」と話し、今回撮影されたものは、その火山雷のメカニズムに通常の雷の発生メカニズムが合わさった特殊なものではないかとの見方を示した。