デフバトミントンのトップアスリート 紋可さんと真衣さん姉妹を追う。姉妹は6月福岡 春日で行われたデフバドミントン強化指定選手の合宿に参加。デフリンピックに向けた7月の世界選手権を目指している。前衛が紋可さんで、後衛が真衣さん。紋可さんが相手の体力を消耗させ、真衣さんが隙を突いて狙う。デフバドミントンは補聴器を外すのがルールで、プレイ以外のコミュニケーションが重要となる。真衣さんは負けず嫌いで、紋可さんさんは優しい性格である。
2人に耳が聴こえないのがわかったのは、それぞれ3歳と2歳の時。紋可さんが小1でバドミントンを始め、真衣さんが続いた。真衣さんは小学生からシングルスなどで好成績を残し、紋可さんはコツコツと練習を重ね、高校生で強化指定選手に選ばれた。
ブラジルでの世界大会。真衣さんはユース大会に先に参加し、片山結愛選手と組んだダブルスで優勝。年齢制限のない部門のダブルスでも優勝を狙ったが、ベスト8で敗退した。メダルに届かなかった姉妹のペアは解消も含めて検討することになった。
世界大会後紋可さんは自分を見つめ直すため日記や体幹を鍛えるトレーニングを始めた。練習の合間紋可さんはバイト、真衣さんはデフバドミントン教室でボランティアで指導している。
9月、熊本。ペア解消の可能性を突きつけられた2人はそれぞれの思いを抱えて練習に臨んだ。しかし2人には距離があった。紋可さんが重点的に取り組んだのがレシーブだった。2人は紋可さんが気になっていたカレー屋さんに出かけ、ペアについて話し合った。9月に行われる国内大会のダブルスでもう1度ペアを組み、ベストを尽くそうと決めていた。
9月 福井・越前で行われた全国ろうあ者体育大会。優勝をかけた試合、真衣さんの攻めで終始相手を圧倒。紋可さんも守りでラリーを制した。プレーの合間もコミュニケーションがを取り、優勝を手に入れた。デフリンピックでは誰とダブルスを組むかは今後の2年間の成績で決まる。