今年7月、山本さんは富士山の上空でトレーニングを行っていた。撮影に使うのはモーターパラグライダーでエンジンとプロペラの力で自由に空を飛び回ることができる。山本さんのテーマは「地球を感じる写真」を撮ることである。27歳でモーターパラグライダーに出会ってから、空から見た地球が織りなす風景を多くの人に届けたいと、写真を取り続けてきた。しかし、体1つで空を飛ぶのは常に危険と隣り合わせであり、家族は複雑な思いを抱いている。娘の羽美香さんは「死ぬかもしれない」と話した。4年前に山本さんは飛行中に上半身に大やけどを負った。5000mを超えるキリマンジャロを撮るためにエンジンの改造をしていた。そのテスト飛行中にエンジンから出火し50日間の入院を余儀なくされた。世界七大陸最高峰を空撮する山本さんは今年9月にオーストラリアのコジオスコに挑戦する。飛行場から目指す山頂までは30キロで課題は谷から吹く不安定な風を攻略できるかである。現地航空局の無線資格を持つピーターさんもフライトに同行しサポートする。この日の風は穏やかで絶好のフライト日和である。いよいよコジオスコに挑む。出迎えたのはオーストラリアの大地。この30キロ先にコジオスコがある。離陸から25分、風が乱れる難所に差し掛かった。複雑な風邪に影響を受けながらも、無事に谷を通過しコジオスコに到着した。世界七大陸最高峰を空撮するプロジェクトでコジオスコの撮影に見事成功した。山本さんは「元々は自分が地球を感じたいので七大陸最高峰を飛びたい。僕の写真を楽しみにしてくれる人を世界中に作れたら良い」と話した。