3区のトップを走る駒澤大学・佐藤圭汰に青山学院大学・太田蒼生が40秒差なら追いつけると言ったのは、箱根への準備にあった。1年間箱根のレース戦略をシミュレーションしてきた太田。すると、沿道から声援に答えたい太田は7キロ過ぎで佐藤に追いつくと後ろでマーク。14キロ手前で早くもしかけ、首位が交代。太田は佐藤選手に勝つなら早めのスパートで先手を取ることだと思っていたので、残り3キロその辺から仕掛けないとちょっと勝てないかなと少しずつ考え始めていた、などと振り返った。駆け引きの中で、太田は駒澤・佐藤の状態を冷静にみていた。佐藤の体力の消耗を感じ取った太田は残り3キロ手前で太田がサングラスを取り、佐藤の表情を何度もみていた。勝負をかけたラストスパートで太田が差を広げていく。太田は苦しいはずの残り2キロ過ぎで笑顔をみせていた。青山学院大学太田は日本人歴代1位のタイムで区間賞。ハーフマラソンより長い距離を走り、タイムは日本記録を上回っていた。駒澤・佐藤圭汰が太田の元へ行き、やばい速いっす、などと称えていた。駒澤・佐藤は肩を借りないと歩けないほどの状態だった。原監督が思った優勝確率は50%にアップしていた。