政府は先週岸田政権が進める新しい資本主義の重点事項をまとめ、その一つに「持続的な賃上げ」を掲げた。柱となるのは賃上げ税制で、これは企業が給与を増やせば法人税から一定の額を差し引ける「減税策」で2013年から続く制度となっている。岸田総理はこの賃上げ税制を強化すると強調した。東京・江戸川区などで中華料理店3店舗を運営する「翔華」は、去年4月の税制改正のタイミングでこの制度を使い従業員の賃上げを行った。代表の塩川さんは、岸田総理がこの制度を強化することについて、さらなる賃上げを検討する材料にしたいという。飲食業では原材料費の高騰などから値上げを余儀なくされる状態が続いているがそれよりも人手不足が深刻化している。大阪・東大阪市で精密部品を製造する「アオキ」の青木会長は税制強化による賃上げについては“上げたいがバランスを見て決める”とし、岸田政権の経済対策については、“目先のことだけをやっているイメージ”だと批判した。ここに来て減税をアピールする岸田総理の狙いについて、元経済産業省官僚の岸氏は、増税ばかり考えているという政権の認識があるため減税を強調しており、個人的には選挙が年内にあってもおかしくないなどとのべた。実際に永田町では解散風が吹き始めている。