輪島市町野町唯一のスーパー「もとやスーパー」。ふるさとを守るために奔走する2年間を追った。2024年2月、スーパーには商品が並んでいた。先代店主の本谷一郎。自宅は住める状態ではなかった。店舗の建物は残ったため停電が続く中でも地震直後から1日も休まず営業。9月、豪雨が町を襲い、氾濫した川の水がもとやスーパーにも押し寄せた。商品や移動販売車も流された。豪雨から数日後、店舗には多くの物資が並んだ。2か月後には営業を再開。町にとどまり営業を続ける、そこにはある思いがあった。人口流出が震災を経た町の課題。特に輪島市と珠洲市では2年前の元日から5301人が町を離れ、人口減少率は15%以上。町のインフラを維持するために新たな試みも始めている。スーパーの売場を半分以下に減らし、外から町に人を呼び込めるよう宿泊事業を始める。総工費は2億8000万円。クラウドファンディングで支援を募るためSNS発信にも力を入れ、周知のため県内外の企業を回った。本谷一知社長は「能登の人の独特のもの、日本人が忘れかけているような不器用なやさしさが能登にはまだまだある。風化させずに伝えていくのが数千年に一度の災害を受けた僕の役割だと思っています」などと話した。
